1日、また1日と研究室から逃げる準備が整っていって
明日で本当にチェックメイトみたいなところがある
この2年間ですっかり奴隷根性が染みついてしまっていて、
「あれ?俺本当にここから解放されるのか?」
と実感が湧いてこない
この2年間ほんっとーーーーーーに長いトンネルにいた気分で、目の前に見えてる出口が「本当にこれが最後なのか?」と嬉しさ半分怖さ半分のような
それでも体の中からふつふつと悦びが湧いてきて、解放を実感する不思議な感じ
小中高、どれを卒業したときとも違う感覚
大学は唯一僕がそのとき知る世界で「満たされなかった」ところ
小中学生にとっての世界は所詮学区内で、選択肢もなくそこでしか生きてこなかったんだから世界なんて知らないし、それが世界のすべて
高校では「県内」が世界になり、初めて世界の選択肢のなかから進路を選ぶ経験になる
高校はその「世界」では満たされていた
県内トップ高で「世界」からは最大級の評価を受け、高校が繁華街に近いので遊ぶこともできて、最高の部活に入って、友人にも恵まれて、
なにひとつ渇きがなかった
大学ではその「世界」は日本に拡大され、初めて東京という場所が選択肢になる
それが叶えられなかった僕の夢は東京にずっと行くことでした
そして、大学で初めて「満たされない」感覚を知りました
そして、高校2年生頃から日本という世界のなかで東京という場所を目標にこれまで様々な足掻きをしてきて、結局この地方に囚われて、それが本当に叶うという実感がわかない
僕は強欲な人間で、満たされないから努力する
それが9年間夢見てきた、満たされなかったことが、満たされて「しまう」
途端に虚無というか、渇きが満たされてしまうような
僕は臆病な人間で、あらゆることが怖いから努力をする
他にも己にも負ける自分を見るのが怖いから努力する
最初の配属は全く競争のない本当にまったりホワイトのような部署になり、10年以上どこか張り詰めていたものが急に緩んでしまったような
あれ、俺やっと.....やっと休めるんだ......という嬉しさから泣きそうなのに、それを心のどっかで実は望んでいない
ずっとストレスもプレッシャーもない穏やかなところに行きたかったはずなのに、それが落ち着かない
この就職活動で、すべてが満たされてしまいました
行きたい会社、神引きした行きたい部署、行きたい土地、やりたい仕事、好きな社風、給与等の待遇、合コン受け、
何も不満が見つからない
だからこそ、満たされないことを原動力に生きてきた自分は、何か生きる原動力を失ってしまったような
潤わせるために今まで頑張ってきて、渇きを満たすために今まで頑張ってきて、今度は潤っていることそれ自体が渇きになっている
多分いざ入社したら今度は「ポジション」に満たされなくて出世するために努力するんだと思います